ABOUT

PROFILE

一級建築士

藤山 信博(ふじやま のぶひろ)

1966
広島生まれ
1992
宇都宮大学大学院工学研究科建築工学専攻修士課程修了
1993
東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻黒川研究室
1993~99
穴吹デザイン専門学校専任講師
2000~
藤山建築デザイン事務所設立
2001~07
広島工業大学専門学校・非常勤講師
2002~24
穴吹デザイン専門学校・非常勤講師
2003~
広島インテリア協議会・非常勤講師
2010~12
安田女子大学・非常勤講師
2014~
広島市立大学・非常勤講師

MESSAGE

デザインによって何が生まれるのか。

何かを生むデザインは「思い込みを捨ててみる」ことからはじめます。
そしてそのデザインは、未来へ繋がる「持続性」を持つことが大切と考えます。

私がデザインをする上で多大な影響を受けたのが学生時代からの放浪の旅です。
これまで訪れた国は十数カ国、五大陸に渡ります。

アメリカ・イギリス・フランス・オーストラリアの先進諸国。
アジアでは、中国・タイ・インド・トルコ。
中東、北アフリカでは、イスラエル・イエメン・エジプト・モロッコ。
南米では、ペルー・ボリビア・パラグアイ・チリ・アルゼンチン。etc

それぞれ違う文化圏を旅しましたが、特に開発途上地域に学ぶことが多かったように思います。砂漠や山岳地帯、亜熱帯の建築。これら電気やガスもない、バナキュラー(土着)建築は、その土地の材料を使用し、気候に適した造形で大変興味深いものでした。
しかしそれでは説明がつかないほど、そこに住む人の誰もが幸せそうなのです。
それらの建築が、人を幸せにしているのは、”単に気候に即しているだけでなく、その地域や文化から、生き方を表現した建築だからだ ” という思いに至りました。「思い込み」もなく、なにより生活から自由に導き出された空間や形態は、自然に”安らぎ”や”ふれあい”に満ちています。
これが、何世代も渡って持続できる建築ではないでしょうか。
構法や素材やエコ は大切です。しかし、いかに丈夫で、過ごしやすくとも
そこに住まう人の生き方を無視すれば 決して持続可能な建築には なれないでしょう 。

デザインそのものの造形よりも、デザインによって何が実現できるのか、何が生まれるかが大切です。
デザインは”見た目”だけではありません。デザインによって”安らぎ”や”ふれあい”という現象を生みたいと思います。

私は美しい建築を目指します。
そのために、まず建築の本質であるシェルターとしての役割をクリアしなければなりません。周辺環境や敷地のもつ力、方位による採光、通風換気などの自然利用、そして耐震、断熱性能の向上等、様々な配慮が必要です。
ただそれらだけでは、「箱」のデザインになってしまい、 ”安らぎ”や”ふれあい”に直接繋がりません。これでは持続性を持つことは難しいでしょう。
「思い込みを捨ててみる」ことから、本当の人の想いを実現できるデザインが見えてきます。想いは人それぞれ異なります。それを建築表現すれば、「結果的」に個性的になるかもしれません。しかしながら、愛着が生まれる建築になります。この愛着は、ずっと利用していきたいという持続性に繋がるでしょう。これが「結果的」に美しい建築になるのではないでしょうか。
デザインの考え方は多種多様です。
デザインが人を幸せに導けるよう模索していきます。

尚、私のデザインに対する詳細な考え方は、下記の「ABOUT DESIGN」にて御覧ください。

  • インド砂漠住居

    インド砂漠住居

  • インド砂漠住居

    インド砂漠住居

  • イエメン土煉瓦住居

    イエメン土煉瓦住居

  • イエメン土煉瓦別荘

    イエメン土煉瓦別荘

  • モーレア島 ポリネシア住居

    モーレア島 ポリネシア住居

  • チチカカ湖 葦の住居

    チチカカ湖 葦の住居

ABOUT DESIGN

INTRODUCTION

建築とは空間の体験である。

このAbout Designは、「空間論」の講義が主内容です。

建物やそのインテリアは個人の意思に関わらず、社会生活に於いて毎日接せざるをえないものです。朝起きれば自分の部屋、家を出れば地域の建物や街並みに触れています。それらは、無意識のうちに人々に様々な心理的影響を与え続けています。建物は、人々の生活や仕事を促しもすれば妨げもします。
例えば、ある病状の人が良い建物・インテリアの部屋では早く回復し、逆に悪い部屋では遅くなるという事例があります。
あなたは、家の中で長く滞在したい部屋と、あまり入室したくない部屋はないでしょうか。そこでは、安らぎを得られることができるでしょうか。また勉強や家事、仕事がはかどるでしょうか。

建物やインテリアがつくる空間は、人々の創造力を掻き立てる力があります。
よい建築、インテリアで過ごすかどうかは、一生の幸不幸を左右してしまう要因の1つといっても過言ではないでしょう。
建物をただ設計するだけではなく建築として、そしてインテリアとしてデザインすることが望まれます。 デザインが、いかに人々に無意識に安らぎや幸せを与えられるかが大切です。これこそ「建物」を「建築」へと昇華させることに繋がります。

建築、インテリアと他の芸術との違い。それは「空間の体験」です。
建築、インテリアは、絵画や彫刻といった芸術とは違う楽しみ方があります。静止の状態で楽しむ事が主になるそれらとは違い、動的に楽しむことができます。外観の見た目も大切ですが、建築的体験の素晴らしさは、主に空間構成にあります。「低い」から「高い」、「狭い」から「広い」、「暗い」から「明るい」へ。空間から空間へ流れるようにコントラストを移動体験し、実際より広く、高く感じさせることができます。また、一つの空間を内部に閉じ込め、母の胎内にいるような”安らぎ”を演出したり、一方では、内から外へ空間を繋げ、「内部から外部へ」、「外部から内部へ」と方向性を創りだし、外部空間を取り込むことで、スムーズに景色を享受し解放感を味わう。つまり空間を体験し、感じさせることが”安らぎ”や”感動”を生むのです。

建築、インテリアは楽しいものです。
そしていつでも人に対して無意識に心理的影響を与え続ける大切なものです。

このAbout Designは、どちらかといえば専門家の人ではなくデザインに興味がある一般の人、 或いは、これから建築やインテリアの勉強をしたいと考える人達に向けています。専門家から見れば、当たり前の内容も含まれていることでしょう。また私個人の偏見があることも否めません。
しかし、本文によって少しでも「デザイン」に対して興味を持っていただけたなら、この上ない喜びであります。

CONCEPT

建築・インテリアにかぎらず、デザインで最も大切な事はコンセプトです。
最初に考えることは形態や大きさではありません。コンセプトとは、創り出そうとするデザインの”本質”を見極め、そこから”個性”を導き出すことです。
”本質”は不変のものです。”個性”はデザイナーやクライアントによって変化します。少し極端ではありますが、簡単な例をいくつか挙げていきましょう。

まずは車です。車の”本質”は快適な移動手段です。それではスポーツカーと1BOXカーでは、どちらが美しく快適でしょう。
人、つまり”個性”によって快適な移動は、異なります。どちらの車が美しいかコンセプトなしで語る事が出来ません。
Aさんは、より速く走るためのスタイリングと性能を求めています。Bさんは、家族のコミニュケーションのためのスタイリングと性能を求めています。

Aさんにとって”個性”は、より速く走るための空体力学(車高が低く幅広の形態)やエンジン性能が優れたスポーツカーであり、Bさんにとっては家族とのコミュニケーションのための室内空間(車高が高く広々と感じる事)や燃費の良い1BOXカーです。
つまり、コンセプトに沿ってデザインされたものが美しいのです。
言い換えれば、”本質”(快適な移動手段)が同じ車でも、コンセプトによって形態や性能が異なります。
人より違ったものをデザインしたいからといって形態を最初に考えることは通常ありません。スタイリング(形態)のみを追求をした場合、”本質”を無視してしまう可能性があるからです。例えば、Aさんの場合、スタイリングが良くても遅いエンジンでは快適な移動ができず、愛着は涌いてこないでしょう。Bさんでは、いくら美しいデザインでも、狭くて居住性が悪ければ同様です。これではずっと所有していきたいと思えないはずです。

次は時計です。
時計の”本質”は、時刻を正確に刻み、見えやすいことです。
ここで、金無垢時計とクロノグラフ時計(ストップウォッチ機能付時計)は、どちらが美しいでしょう。金無垢時計は成金趣味で、あまり…と言う人もいるでしょう。クロノグラフ時計は、針がいっぱいあって落ち着きがないと言う人もいるかもしれません。

ならば”個性”を宝飾品と考えたらどうでしょう。時計という”本質”に宝飾品としての輝きを与えることです。
”本質”(時刻が正確で見えやすい)があるからこそ”個性”(宝飾品)が、より美しく見えます。
”本質”がなければ、いくら神々しいデザインでも決して美しくありません。
美しいものは、形態からデザインしているように見えても、実は、”本質”を外していないのです。

ではクロノグラフ時計の美しさはどこにあるのでしょう。
時刻だけではなく、ストップウォッチ機能がつき、それを見えやすくするために秒針や分針が別に配され、時計外周には、それらを生かす目盛りがついています。
”個性”(ストップウォッチ機能機能)を、より見えやすくするために、「結果的」に導きだされたデザインです。この「結果的」が重要です。
「結果的」に導き出されたデザインならば、 その形態はオーソドックスであろうと奇抜であろうと美しいです。
コンセプトによって形態が導き出され、デザインが決定していきます。
金無垢時計とクロノグラフ時計。コンセプトが違えば、同じ時計でも形態は異なります。それぞれのコンセプトに沿った美しさがあるのです。

大切な事。それはデザインを考える時、本当に必要なコンセプトを最初に導き出す事。

これは建築でも同様だと考えます。
建築の”本質”はシェルターです。耐震性や断熱性。東西南北を理解した上での適切な採光。そして自然通風。その上で”個性”というコンセプトを模索していきます。
それは空間体験の模索でもあります。どのような体験をさせたいのかを最初に考えるのです。
建築形態は、最初に考えるのではなく、コンセプトに従った空間構成より「結果的」に求められます。

ABOUT DESIGN

デザインによって何が生まれるのか。

デザインによって何を実現し、どのような体験をさせたいのか。これこそが最初に考えるコンセプトになります。
何かを生むデザインは「思い込みを捨ててみる」ことからはじめます。そしてそのデザインは、未来へ繋がる"持続性"を持つことが大切です。
環境、敷地のもつ力を引き出す事、耐震、断熱、エコ、方位による採光、通風など様々な配慮が必要です。
しかしそれだけでは”持続性”を持つことは難しいでしょう。そのためにはコンセプトに沿ったデザインによって、愛着を感じてもらえる仕組みづくりが重要となります。
愛着があってはじめて所有し続けたいという持続性に繋がるからです。
 
住宅の”コンセプト”は「家族の暮らし方」だと考えています。暮らし方は家族によってそれぞれ異なります。デザインによって、”安らぎ”や”ふれあい”という体験を生みだしたいと思います。
通常、家族人数から部屋数を導き出しす”n LDK”という型、つまり3LDKや4LDKとしています。
これは、個人を尊重する欧米から伝わりました。戦後、食寝分離、就寝分離という機能分化を徹底する考え方です。これは「思い込み」かもしれません。なぜなら、部屋数や、機能分化が、直接”安らぎ”や”ふれあい”に繋がらないからです。戦前の日本住宅は、一つの室で”憩う””食す””寝る”といった各機能を一緒にしたものが大半でした。集い、食事をし、そして、寝るときには座卓を片付け、押し入れから布団を出し敷く。各室同士は、襖や障子といった引戸でゆるやかに繋がり、それをを付けたり外したりすることで、室を大きくも小さくもできる。使い方に自由度があり、家族の増減にも対応可能。家族の成長によってリノベーションに頼る必要性は少なかったでしょう。開き戸による個室は少なく、自然と”ふれあい”や”無意識の気配”を感じ取れる仕組みになっていました。昨今問題になっている「ひきもり」も起こり難かったでしょう。

であればプライバシー主体のnLDKは良くないのか?これもまた「思い込み」かもしれません。”安らぎ”は、家族によって異なります。戦前の日本住宅では”ふれあい”が容易い反面、プライバシーは今よりなかったはずです。
家族同士が十分成熟している場合、各プライバシーを守ることが”安らぎ”に繋がることもあります。その際、孤立や分裂を促さないようにし、気配を感じながらも、個室と他室をハッキリと区別するデザイン。また、”ふれあい”を重要視する場合は、家族が集まる室(一般的にはリビング)を通らないと個室へ行くことができないアプローチにしたり、個室と他室との繋がりを曖昧にすることで自然と”ふれあい”が生まれる仕組みもデザインすることができます。

住宅は、日々営みがあって、はじめて「住まい」になります。人の想いを無視した「箱」のデザインでは何も生まれないでしょう。
”安らぎ”や”ふれあい”をつくる仕組みのデザインは、「思い込みを捨ててみる」ことから始めます。それぞれの趣味や生活様式をふまえた暮らし方を模索することで”個性”を具現化する空間構成が見えてきます。家族によって”個性”は異なります。家族に沿った仕組みづくりや、敷地の環境から考えるデザインは”結果的”に奇抜になるかもしれません。しかし、その家族だけの愛着が生まれる建築です。この愛着は、ずっと暮らしていきたいという持続性に繋がります。つまり、住宅という建物ではなく、住まいという生活をデザインしたいと思います。

店舗等の”コンセプト”は、「人と商品とが繋がる」体験だと考えています。
それはクライアントの商品への想いを表現し、人を惹きつける仕組みのデザインが必要になります。
クールな空間にしたいからメタル素材。自然を表現したいから木素材。これらは仕組みを優先させれば、最後であり、最初ではありません。
例えば、パン屋をデザインするとします。パンをいかに美味しく見せ、手に取ってみたいと思わせる仕組みのデザインが必要です。これを今までの「思い込み」で他店と同じように棚をおき、陳列の仕方を中心に内装をカッコよくデザインしたり、内装材にこだわっても「食べたい」と思わせることはできないでしょう。それより、どんな時に「食べたい」のか、或いは「美味しそう」と感じるかを思案します。それは人によって異なります。それぞれに”個性”があるからです。
ある人が、木洩れ日の公園のベンチで食べたパンがなんとも美味しかったとします。柔らかな光が方向性をもって注がれ、キラキラ、フワフワ、「あぁ食べたい!」。このコンセプトでは、そう思わせる暖かな木々の光を表現する空間デザインが大切になります。
ここではじめて、それを強調する内装材を考え、照明、空間構成を決めていきます。無理やり個性的なデザインをつくろうとしなくても、コンセプトに沿ってデザインしたならば”結果的”に他店との差別化ができます。その人だけの”個性的”な 人とパンとを結ぶデザインが生まれるのです。
クライアントの想いとその商品。それが人と繋がる仕組みをデザインすることで店舗の持続性になります。

デザインの考え方は多種多様です。デザインが人を幸せに導けるよう模索していきたいと思います。